《メモ》 横隔膜

横隔膜の位置と作用。

横隔膜は胸郭の底を形成し、胸郭と腹部を区切っている筋腱性のドームである。横から見ると、このドームは前方よりもむしろ下後方に伸びており、その頂点は腱中心である。この中心から筋線維の帯が胸郭底の周辺へと放散し、肋軟骨の深部表面、第11と第12肋骨先端、肋骨弓、脚から椎体及び腰筋と腰方形筋のの内側表面に付着する。
-第4章 胸椎 横隔膜とその作用様式(p. 140)
横隔膜が収縮すると腱中心は下方に引っ張られ、胸郭の上下径が増加する。
腱中心のこの下方移動で縦隔洞成分が伸張されると、腱中心の下方移動は縦隔洞成分によってすぐにチェックされる。また腹部臓器による抵抗によってもチェックされる。この瞬間から腱中心は固定され、腱中心の周囲から作用する筋線維は下位肋骨を挙上する。
横隔膜は下位肋骨の挙上により下部胸郭の左右径を増し、同時に胸骨の補助を伴って上位肋骨を挙上させるので胸郭の前後径も増加させる。
-第4章 胸椎 横隔膜とその作用様式(p. 140)
横隔膜は呼吸の基本的な筋肉であるとともに胸腔の3つの方向の径を全て横隔膜自体で増加させる。すなわち、腱中心の下方移動による上下径の増加、下位肋骨の挙上による左右径の増加、胸骨の補助を伴う上位肋骨の挙上による前後径の増加である。
-第4章 胸椎 横隔膜とその作用様式(p. 140)

横隔膜は、吸気時に胸腔の上下径を増加させるだけでなく、下位肋骨を挙上させ左右径を増加させ、胸骨の補助により上位肋骨を挙上させ前後径を増加させている。



引用文献:
I.A.KAPANDJI著(萩島英夫(監訳)・嶋田智明(訳))
カパンディ 関節の生理学 Ⅲ 体幹・脊柱』(医歯薬出版、1986年)

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