《メモ》 背部筋群と腰筋

体幹と呼ばれている筋肉の背部と外側の筋群。
胸椎と腰椎の彎曲をコントロールする重要な働きをしている。

背部筋群は
基本的には腰椎の伸展に関与する。
仙骨が固定されれば、腰椎と胸椎をそれぞれ腰仙関節と胸腰関節で強力に進展させる。腰椎の前彎を増強。 これは背筋群が腰椎部の彎曲の両端を完全もしくは不完全に結びつけているからである。
第3章 腰椎 背部の筋群(p.84)
腰筋は
腰方形筋の前にあり、紡錘形をした筋腹は2つに分かれる。後方の筋層は腰椎横突起に起始し、前方の筋層は第12胸椎と腰部椎体に起始する。後者は隣接する2つの腰椎上縁及び下縁、さらに椎間板外側縁に付着する。腱様のアーチがこれらの分かれた筋付着部上をまたがっている。紡錘形をした腰筋は前後方向に平たく、下外側方に射走し、骨盤上峡部の縁に沿って腸恥隆起の前縁に付着する。さらには、腸骨筋と合して小転子尖端に達する。
第3章 腰椎 体幹の外側筋群(p.88)
さらに
大腿骨が固定され股関節が他の関節周囲筋の収縮により安定すれば、腰筋は腰椎に対して非常に強力な効果をもつようになる。すなわち側屈する側へ脊柱を側屈させ、側屈と反対方向へ脊柱を回転させるようになる。その上、腰部彎曲の頂点に付着してるため、骨盤に対して脊柱の屈曲をもたらし、下肢を安静にし背臥位になった時に見られるような腰椎前彎を強める。
全体的にみれば、体幹の外側の筋群は体幹を同側方に屈曲するが、腰方形筋には腰椎を前彎させる作用はなく、腰筋が腰椎の前彎を強調させ、さらに脊柱を反対方向に回旋させている。
-第3章 腰椎 体幹の外側筋群(p.88)

立位、座位、動作時でも仙骨の位置(いわゆる骨盤の傾斜)をある角度で維持することで
背部筋群が腰椎の彎曲をコントロール、腰筋が体幹の動きをコントロールできるようになる。



引用文献:
I.A.KAPANDJI著(萩島英夫(監訳)・嶋田智明(訳))
カパンディ 関節の生理学 Ⅲ 体幹・脊柱』(医歯薬出版、1986年)



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